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ビジネスでは「市場規範」「社会規範」の選択は重要

大昔、ある「グループ」から相談されました。
相談の内容は、「どうすれば、現在の莫大なアクセス数を収入につなげることができるのか」です。
※)かなり昔のことなので、忘れてしまいましたが、1日数万アクセス数はあったと思います。

そんなの、商材を販売すればいいじゃないかと思うでしょうし、実際、私もそう提案しました。
でも、状況を聞いているうちに、結局、以下を提案したんですよね。

それだけの人気サイトなら、被リンクもあるだろうから、こっそりとショッピングサイトへのリンクを掲載すればいいんじゃないでしょうか。
※)要は、被リンクの強みを生かして、SEOで稼げばどうですかっていう提案です。

なぜ、こっそりお金儲けをしないとダメなのでしょうか。
それはこのグループが運営するサイト、ボランティアの人たちが作っていたためです。
助け合いの精神でサイトを制作しているのに、お金儲けをされると、そりゃ、怒りますよね。
「そんなのボランティアの人にお金を渡せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、簡単には事は運びません。なぜなのでしょうか。

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社会規範と市場規範

人は、助け合いの精神と金儲けを切り離します。
社会規範とは、助け合いの精神のことで、誰かが困っていたら無償で助けようとする精神です。
市場規範とは、まさにビジネスで、労力に見合うだけの対価としてお金を貰うという考えです。
会社に遅れそうな友人がいて、好意で会社まで車で送ったのに(社会規範)、友人から千円を渡されれば(市場規範)がっかりするのではないでしょうか。
「社会規範」と「市場規範」は、基本的に、同居できないのです。

というわけで、先ほどの話ですが、ボランティアの人たちはお金を受け取らないでしょうし、そういう提案をしただけで、もうその人達は働いてくれなくなるでしょうね。

しかも、市場規範でいくと、報酬に見合う労働しかしてくれませんから、陳腐なサイトになって、人が集まらなくなってしまいます。
ボランティア精神で、金銭関係なく、頑張ってくれたからこそ、そこまで人が集まるサイトに成長したのでしょうし。

というわけで、「社会規範」と「市場規範」、ビジネスを始めるときに、どちらにするのか決めておく必要があります。

「社会規範」でいくならば、大した商品じゃなく、従業員にも的確な指示ができず、すべてがグダグダでも、従業員、お客…すべての関係者から「Aさんだし、まあ、いいっか。オレたちでAさんを盛り上げていこう」ってなります。報酬以上の働きをしてくれますし、対価には見合わない商品でも許してくれることも多いです。
でも、逆に、お客からは「代金がないけど、Aさんだから許してくれるよ」従業員からは「Aさんなら、今日、サボっても許してくれるよ」なんていうことにもなりかねないです。利益重視に走るとバッシングされます。
※)要は「なあなあ」の関係に陥りやすいってことです。

一方、「市場規範」でいくなら、グダグダは許されません。対価に見合った商品を提供しないと、そこで終わりです。従業員も、給与に見合った仕事しかしてくれません。でも逆に、お金を支払わないお客に対しては強く言えますし、働かない従業員も簡単に切ることができます。
利益追求もできます。

一番してはいけないのは「社会規範」と「市場規範」を共存させること。
いつも「助け合いの精神」「従業員は家族」だとか言っているのに、あとで「お金儲け」とバレれば、終わりということは、想像に難くないと思います。

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