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教科書には載っていない、一面提示(片面提示)と両面提示の話

昔から、アフィリエイターの間では、「なぜ、怪しい情報商材を買う人がいるんだろう?」というのが、しばしば話題になります。
なぜだと思いますか?

前にどこかで、その理由のうちの1つ―確率的な話は書きましたが(100人に1人でも買えば、販売者側にとれば「大儲けできる」という話です)、今回は、別の角度で考えてみましょう。
※)ちなみに、ここからは専門書の話ではなく、私個人の見解です。

色々な人と話していると感じるのが、(教養レベルにも相関があるんでしょうが)今の苦境の大きさと、本人の意志とのバランスで「妄信したい場合」も片面提示を好むのかなと。 どういうことか?

(例1)お金に切羽詰っていて、大金を稼ぎたいAさんの場合
(今の苦境)借金があって、収入も少なく、生活も苦しい。
(本人の意志)苦労すれば稼ぐ方法はあるが、楽して稼ぎたい

Aさんが「今すぐに簡単に大金を稼げる」という片面提示のセールスレターを読むと、Aさんが苦境に立たされていれば、立たされているほど、かつ、Aさんが楽をしたければしたいほど、セールスレターは、Aさんの心に響いて、Aさんは、セールスレターに書かれていることを妄信してしまうのでしょうね。
※)もちろん、片面提示とはいえ、妄信できるに足る論理構築(体験談を入れるなど)をしているという前提です。

で、たとえ真実がどうであれ、妄信している間は、幸せになれるので、情報商材を買うことでしょう。
逆に、セールスレターに「大金を稼げることもあるが、本人の努力も必要」などとデメリットを書いて両面提示すると、Aさんは「妄信」できなくなるので、買わないでしょうね。妄信できないってことは、今の苦痛から逃れられないってことですから。

…これが情報起業家たちの片面提示のセールスレターが売れる理由の1つでしょうね。
※)ちなみに、例え、苦境に立たされていても、「俺の腕でのし上がってやる!」なんて人は、ひっかからないですし、逆に、苦境に立たされていなくても、「楽して大金が得られる方法はないかな」と強く思っている人はひっかかるでしょうね。だから「今の苦境」と「自分の意志」のバランスだと思うわけです。

何も、これは情報商材だけではありません。

(例2)ダイエットしたいBさんの場合
(今の苦境)太っていて、異性からモテなくて辛い
(本人の意志)食事を制限して運動すれば痩せるが、食べて、楽して痩せたい

Bさんが、「履くだけで痩せるズボン!痩せるズボンの履き方講座」のガイダンスを受講すると、Bさんの苦痛が大きくて、意志が弱いほど(楽して痩せたい)妄信してしまうでしょうね。
※)もちろん、片面提示とはいえ、妄信できるに足る論理構築(体験談を入れるなど)をしているという前提です。

で、たとえ真実がどうであれ、妄信している間は、幸せになれるので、受講してしまうでしょう。

…ところで、説得の本によると「あなたは騙されている!こういうデメリットがある!」と忠告することは、却って、購入を促すこともあるとのことです。どういうことか?

例2でいうと、ガイダンスが終わってから、(そもそも両面提示するだけのメリットもないですが)両面提示すると、逆に、入会してしまうこともあるんだそうです。
なぜなら、妄信したいから。
つまり、講座を信じれば、「楽にダイエットできるかもしれない」という希望であふれ、今の苦痛から逃れることができますが、デメリットを聞けば、講座が信じられなくなる、つまり、信じるものがなくなりますから、デメリットが自分の頭の中に入る前に、受講を申込もうとすることもあるとのことです。

てか、そもそも、妄信している人に、「それ、騙されているよ」とか言っても、無意味ですし、むしろ、そういう夢を壊して、今の苦痛に戻そうとする人は嫌われてしまいますけどね。

私、数えるほどですが、何度か、夢を壊そうとして(真実を伝えようとして)、激怒されたことがありますし。 すごい激怒しますよー

ほんと、人の心って不思議ですね。

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一面提示(片面提示)するの方が好ましい理由

まずは好意とある飲みの席で、独身男性のAさんのイメージアップを狙って、以下のように言ったんですよ。

「Aさんって、有名大学卒業で、官庁勤務なんですよ」
※)詳細は変えています。

すると、目の前にいた独身女性は興味津々。
しかし、Aさんは以下のように言ってしまいました。

「企業名はいいんですけど、出世しないですし、リストラがあれば、真っ先に対象になる部署なんですよ」
※)詳細は変えています。

それを聞いた独身女性は、興味がなくなったようでした。
さて、この飲みの席、見方を変えると以下ですよね。

「独身女性に、Aさんをアピールする」
→(見方を変えると)独身女性にAさんを売り込む

売り込むといえば、両面提示と片面提示。
私は片面提示をしようとしたのですが、Aさんは誠実な人なので、両面提示したかったのでしょうね。つまり、Aさんは、独身女性に、メリットだけではなく、デメリットも、きちんと伝えないといけないと思ったのでしょうね。

<メリット>
・有名大学卒業で、官庁勤務

<デメリット>
・出世しなくて、真っ先にリストラ対象になる部署

…この話、両面提示の理解を深める上で、参考になりますよね。
というわけで、Aさんの話を例に出して、両面提示の話を考えていきます。

さて、Aさんですが、私は同じ両面提示でも、かなり「損」する両面提示をしているなと思いました。もっというなら、かなり「得」する両面提示をすれば、独身女性の心をつかむことができるのに、と思いました。
では、どうすれば、かなり「得」する両面提示にすることができると思いますか。

心理学の本には、「両面提示するには、デメリットを伝えた後、メリットを言えばいい」なんて書かれています。 だから、教科書通りにいくと、Aさんは、「出世しなくて、真っ先にリストラ対象になる部署だけど、有名大学卒、官庁勤務」と言えばいいことになりますが…。 学者と違って、実際に「説得」してきた私の意見は異なります。
Aさんのケースでは、教科書通りにしても、全く効果がないでしょうね。

なぜ、Aさんのケースには、お勧めできないのかといえば、教科書にある方法は、例えば以下のような「限定的な場面」でしか使えないと思うからです。
※)もっというなら、教科書は研究がベースですが、研究がベースということは、条件を限定することに他なりませんから。

■極めて時間がないとき
新規顧客の開拓で、「3分間しかプレゼンできない」なんていう場合で、両面提示する必要があるとき。
※)もっとも、極めて時間がないときは、片面提示して、「次」につなげる方がいいと思いますが。

■デメリットよりも、メリットの方が大きく見せれるとき
つまり、(デメリット)<(メリット)にできるときですね。たとえば、以下のようにデメリットを、まるでメリットのように言えば、メリットの方が大きく見せれますよね。
(例)「優柔不断」
→(デメリットをメリットのように見せると)優しくて色々なことに気を遣ってしまって、深く考えてしまう

さて、Aさんですが、Aさんにしてみれば、異性と「次」に会う機会を作れば、時間を作ることができます。また男性に職種を求める女性は、要は「経済的な安定・裕福さ」を求めているわけなので、デメリットの「出世しない。真っ先にリストラ対象になる」は致命的なデメリットで、メリットに見せかけることはできません。
では、Aさん、どうやって両面提示すればいいのでしょうか。

私は「まずは好意を持って貰う」ことだと思います。
まずは好意って、どういうことでしょうか。

他のページに「好意」について書きました。
具体的には、全く同じ行動をしても、好感度が高い人だと許されますが、好感度が低ければ、非難されてしまうのでした。たとえば、全く同じ失敗でも、好感度が高い人だと「仕方がないな」と許されても、好感度が低い人だと「バカやろー!」と怒鳴られます。
これで、Aさんが両面提示するにしても、どうすべきかわかったのではないでしょうか。
そうですね。
独身女性に、まずはメリットを伝えて「好意」を持って貰ってから、デメリットを伝えればいいのです。
具体的には、私が独身女性に「有名大学卒で、官庁勤務」と伝えた後、デメリットを伝えるのではなく、私の話にのっかって、「官庁って、国を動かしているんだよね」なんてメリットを強調するような話をすれば良かったんです。そして、独身女性に好意を持って貰って、親しくなった後に、デメリットを伝えればいいんです。

まずは「好意」を持ってもらう。
それが私が提案する「かなり得する」両面提示です。

さて、ここで私の得する両面提示に対して、中には「ちょっとズルいな」と思った人もいるかもしれません。
※)ズルいと思うということは、逆をいえば、私の方法が効果があるとわかっているからこそ、ズルいと思うわけですが。

しかし、実は、初対面のときは特に印象に気を使わないと、将来、かなり損してしまいます。
※)初対面の印象はその先のイメージに大きな影響を及ぼします(心理学では初頭効果といいます)。つまり、初対面でいい印象を与えることができれば、その先もずっと印象がよく、逆に、初対面で印象が悪ければ、その先もずっと印象が悪いわけですね。

というわけで、Aさんの場合を考えてみましょう。
メリットとデメリットを同時に言ったとき、独身女性に与える印象は以下になります。

「デメリットで50点マイナス。メリットで100点加点されて、50点」
※)数値は分かりやすいように入れているだけで適当です。

この先もずっと、この50点の印象が影響します。 たとえば、グッチのバックをプレゼントしても、「所詮、50点の男だし」なんて思われるわけですよ。
一方、メリットだけを伝えたとき、独身女性に与える印象は「100点のプラス」になります。 この先もずっと、この100点の印象が影響します。
なので、デメリットを伝えても、50点の減点にならず、10点の減点で済みます。

「メリットで100点プラス。本来は50点のデメリットでも、好意を持ったので、10点の減点で済んで、90点」
※)数値は分かりやすいように入れているだけで適当です。

だから、グッチのバックをプレゼントすると「さすが、90点の男は違う!」なんて思われるわけです。
何が何でも、初対面の印象をあげる必要があるとわかっていただけたのではないでしょうか。

・・・「まずは好意」。これは、もちろん恋愛の話だけではありません。たとえば情報起業家たちの手法の変遷をみてみると、同じことがされています。

(例)「寝てるだけで、痩せる方法」という怪しい情報商材の販売者
(昔)ふつうに販売
(今)販売せずに、まずは無料メール講座に申し込ませてから、販売

昔は、情報商材に対する抵抗がなかったこともあって、ふつうに販売するだけで売れたのだそうです。しかし、時が経ち、ふつうでは売れなくなってきたときにとった手段が以下です。

・無料メール講座で「まずは好意」を持って貰ってから販売

「まずは好意」は、売れない状況で販売するために作られた方法なので、威力があります。

好意を貰ってからデメリットを伝える別の例

かなり昔に、ホスト風のイケメンと話したことがあります。彼の年齢は、どこからどう見ても、25歳くらい。で、私の方が年齢が上と思って話していたら、なんと、彼の方が年上でした。しかも、バツイチだそうで。
で、バツイチって、女性によっては嫌がるらしいので(好かれる場合もあるそうですが)、「いつバツイチって言うんですか?(=いつデメリットを伝えるんですか)」って聞いたんですよ。
すると「そんなの、関係を持った後に決まっているじゃん」って。

なるほど。
「好意」を持って貰ってから、デメリットを伝えるってことですよね。
決して、教科書にある通り、「バツイチで、昭和40年代生まれだけど、イケメン」なんて感じの両面提示はしないわけです。女性にモテるからこそ、なんでしょうね。

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