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マルチビジネスの詐欺トーク

カフェって、ほんと、いろんな人がいますが、昨日は隣に「マルチビジネスを勧誘している人とその見込み客」がいました。昔、カフェで、「ガンが治る奇跡の水の販売現場」に遭遇して、隠し撮りしたこともありましたが(笑)、最近は、なんか、もう飽きてきて。
というわけで、そんな話、聞きたくもなかったのですが、聞こえてくるんですよ。
で、聞いていると、典型的な詐欺トークでした。
腹立たしくなって、店を変えたのですが、な、なんと!
その連中、少しして同じ店に入ってきました…。
幸いにも席が遠くて助かりましたが、これも何かの縁ということで(笑)、今日は、昨日聞いた詐欺トークの「構成」を紹介します。

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権威の利用〜詐欺トークの構成

日本人は特に「権威」に弱い生き物です。
権威とは、専門家や有名人のこと。
だから、最初に「私はAさん(芸能人)の友達」などと言うんでしょうね。

というわけで、最初の話のつかみは、このような感じでした。

「私、芸能関係の仕事もしていまして、Aさん(芸能人)と友達なんですよ。あと、Bさん(芸能人)って知っています?そのBさんとも・・・(省略)・・・」

もっと悪質になると・・・自粛。

購入後のイメージ〜詐欺トークの構成

前に、有名なセールステクニック…購入後のイメージを持たせる方法(コトラーのニーズの階層化)があります。
詐欺トークでも必須のようです。
具体的には、以下のような感じでした。
※)もっと、細かく話していましたが、話を聞いていると、「何か儲かりそう」ってイメージが持てるようになっていました。

「うちのシステムを使うと、ホームページ、10万アクセス数くらいになります。なぜって?他と違いSEO対策しているんですから。ははは!で、10万アクセス数のうち、1%は購入されるといわれているので・・・(省略)・・・だから、100人はダウンについて、毎月100万円の収入になるんです」

まあ、アフィリエイトをしていたり、SEOを知っていたりすれば、「アクセス数があるから、なあに?」「捕らぬ狸の…」ってやつだとすぐにわかりますが、素人はわからないんでしょうね。
実際、かなり昔に配布した私の無料レポート(芸能ネタを書けば、莫大なアクセス数を稼げる)ってやつ、どこかで「怪しい」って、書かれているのを見たことありますからね。実際にやっている人からみれば、「怪しいって、どこが?(笑)」となるでしょうが、まあ、やっていない人は、きっとこのように考えるのでしょう。

「購入率が0.1%としても、1日1万アクセス数あれば、月100万円になるはず。芸能ネタを書くだけで、そんなに稼げるはずはない。怪しい!」

机上の理論しか知らないので(しかも、かなり中途半端な知識)、こうなっても仕方がないんでしょうが、思いっきり、論理が破綻していますよね…。私の著書で、口が酸っぱくなるくらい「アクセス数と売り上げは相関がない」って書いていますし、そもそもリアルの世界で、人通りが激しい道に店を作ったからといっても、その店が繁盛するわけではない(つまり人の数と売り上げは相関がない)のはわかっいるはずなのに、ネットになると、その感覚はなくなるんでしょうね。

・・・少し話がそれました。

「入会後のイメージをさせる」ためにも、如何に儲かるのかイメージをつけているんでしょうね。途中で店を変えたので、その先の話を聞かなかったのですが、このように恐怖にも訴求しているんでしょうね。

「老後の生活は貧窮する(恐怖)」 +「私たちの会に入会すれば、平均して月24万円の収入が…(恐怖への対処法)」

恐怖を与えて、その対処法を提示すると、食いつきます。
ただ、対処法が、その恐怖を払拭するくらい効果がありそうに思えないと、逆効果らしいですが。

壮大な話〜詐欺トークの構成

一時期、以下のような英文のスパムメールが流行っていました。

「C国では軍がクーデターを起こした。王族の方々は無事、国外に脱出したが、C国に残してきた資産5000億円を国外に動かすのに苦労している。具体的には、今、王族の方々は、手元に無一文に近く、お金を動かす為に必要な手数料が用意できない。手数料を貸してくれないか?100万円貸してくれれば、1千万円でお返しする」

何故か、こういう壮大な話に、ひっかかるそうです。むしろ、あり得る話よりも、壮大な話の方が、ひっかかるそうです。不思議ですよね。
隣にいたのは、高齢者だったので(高齢者が高齢者を騙していました)、「SEO」「ホームページ」は、まさしく壮大な話なんでしょうね。なんか、やたら「データベース」って繰り返していましたし。

人の評価〜詐欺トークの構成

こういう詐欺とか宗教って、だいたい、友達経由が多いですよね。
これも人の心理を利用しています。
前にもメルマガで紹介したように、人は人評価を気にします。
平たくいえば、友人の口コミの信用力は高いんです。

だから、詐欺師は「詐欺の犠牲者の友人」を狙うんでしょうね。つまり、詐欺トークを始める前に、単なる見込み客じゃなく、詐欺にひっかかりやすい人を集めた「舞台」を用意するってところでしょうか。
その舞台を用意する前段階のために、(前にメルマガで紹介したように)詐欺にひっかかったリストをどこかから購入して、種にするってところでしょうか。

まとめ

一時期、心理や商売の勉強のために、詐欺の手口の本をいくつか読みましたが、その手口は、意外に単純なんですよね。
※)発覚しているところが単純なだけであって、実際は発覚していない巧妙なものもあるかもしれませんが。

エビの養殖、FX、ブラックマネー、新興宗教など…。

ネタは違いますが、根本は一緒です。詐欺にかかりやすい人を見つけて(種を用意して)、詐欺トーク(これも典型的)を仕掛けて、友達を紹介させるってところでしょうか。
テレビや雑誌で、詐欺に対して啓蒙されていますが、あまり効果がないようです。

一つは、みんな「私はひっかからない」と思っているからでしょうね。「自分のことじゃない」と思ってしまうんでしょうね。私は、本や実戦で、心理テクニックを学び、2千人以上の人々と話して、試してきましたが、それでも、やはり「私が警戒していないところ(たとえば、私の興味が薄い、服の販売)」だと、コロっと、こういう手口にひっかかると思います。それだけ、こういう心理をついたものって、すごい威力なんですけど、皆、ひっかからないと思っているんでしょうね。

二つに、「根本」を理解できるように啓蒙されていないので、ちょっと手法を変えられると、わからなくなるんでしょうね。根本を理解していないと、「エビの養殖はNG」と思っていても、ブラックマネーの話がきたら、「これはエビの養殖じゃないからOKだろう」となってしまうんでしょうね。もっというなら、昨日の詐欺にひっかかった人たちは、「ホームページ」「SEO」「データベース」と聞くだけで、詐欺って思うようになるんでしょうね。迷惑な話です。

いずれにしても、店を変えても、遠くから「SEO対策が…」とか聞こえてきて、気分が悪い一日でした。

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