SEOスパムに使われている転送
これはSEOスパムです。限りなく「黒」に近い手法ですが、「誰が犯人なのか」特定することが難しく、検索エンジンやASPも取り締まりにくい手法なので、放置されているようです(放置されている理由は、後述します)。ただ、アカウント停止のリスクも高いので、個人的には、お勧めできません。
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転送は色々な用途で使われている
「転送」は、色々な用途で使われています。
たとえば、新しいアドレスに移転したときに、古いサイトから新しいサイトに飛ばす用途があります。
※)ネットサーフィンしていると、よく、「××は移転しました。5秒後に移転します。」のような表示を見かけると思いますが、これが「転送」です。
では、この転送を、どのように悪用するのでしょうか。
基本的な流れは、以下です。
「スパムのブログ → 転送 → 本命のブログ」
スパムのブログにアクセスすると、「一瞬で」、本命のブログに切り替わるように設定されているようです。つまり、スパムのブログを作成して、そこにアクセスしてきた人を、一瞬で、本命サイトに飛ばして、本命のブログに、人を集めるという手口です。
なお、スパムブログにアクセスした人の多くは、転送されたことにすら気がつかないと思います。実際、私も気がつかないことがありました。
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大量ブログから転送させる
実際は、スパムブログは1つではありません。
このようなスパムブログを、大量に用意するようです。
スパムのブログ →
スパムのブログ → 転送 → 本命のブログ
スパムのブログ →
しかも、このスパムのブログに使われているキーワードは色々あるようです。
スパムのブログ(キーワードAで集客) →
スパムのブログ(キーワードBで集客) → 転送 → 本命のブログ
スパムのブログ(キーワードCで集客) →
ちょっと、わかりにくいと思いますので、もっと具体的に説明します。
どのような内容なのかというと、RSSを使って、色々なキーワードを詰め込んだブログにするようです。具体的なスパムブログのURLを示すと、問題になるので、ここでは「こういうイメージ」というものを紹介します。
<スパムブログ1>
◆タイトル:芸能人Aのニュース
◆内容:・芸能人Aがあそこで……
>ブログAへのリンク
・芸能人Aを見たよ!……
>ブログBへのリンク
<スパムブログ2>
◆タイトル:パソコン激安
◆内容:・パソコンが激安な店を……
>ブログCへのリンク
・パソコンの激安情報は……
>ブログDへのリンク
※)ブログA〜Dは、一般人のブログです。一般人のブログをRSSで取り込んでいるのが多いようです。詳細は後述します。
スパムブログ1では、「芸能人A」に関連したキーワードでの集客を見込めます。
スパムブログ2では、「パソコン+激安」に関連したキーワードでの集客を見込めます。
つまり、このようにして、色々なキーワードを詰め込んだブログを、星の数ほど作って、スパムブログにアクセスしてきた読者を、本命ブログに、流すというわけですね。
もし、このようなスパムブログを、1000個作って、それぞれのスパムブログで、1日1アクセス数なら、本命のブログは、1日1000アクセス数になるわけです。
なぜ、取り締まられないのか?
スパムのブログは、RSSを使って、作ることが主流のようです。
RSSを使うと、簡単に大量のブログを作成できますし、そういう専門のツールも販売されているようです。
なお、RSSについては、著書に、多分、書いたと思います(書いていなかったら、申し訳ないです)。
しかし、なぜ、この手法は取り締まりにくいのでしょうか。
◆ この手法が取り締まられにくい理由1
この手法は、たとえば、以下のようにもできます。
スパムのブログ →
スパムのブログ → 転送 → 他人のブログ
スパムのブログ →
つまり、誰がスパムのブログを作ったのかわからないので、他人を陥れることもできてしまいます。なので、なかなか取り締まりにくい方法といえます。
◆ この手法が取り締まられにくい理由2
スパムのブログから、本命のブログに転送されるのは、「一瞬」です。つまり、スパムのブログを開いた「瞬間に」、本命のブログに転送されるので、アフィリエイトやウェブサイトに知識がある人でないと、なかなか気がつきにくいようです。
「あれ?確か、キーワードAで検索したはずなのに……」と思う人が大半なのではないでしょうか。
というわけで、この方法ですが、典型的なSEOスパムなので、法律違反ではないと思いますが(スパムのブログに著作権法違反がなければの話です)、SEOスパムの中でも、かなり悪質なスパムなので、検索エンジンから「永久に」削除されますし、もし、このことがASPや広告主に発覚すると、ASPのアカウント停止になる可能性大です。なので、やめておくことをお勧めします。
ちなみに、もし、スパムのブログから、本命のブログに、「転送」させずに、単なるリンクなら、問題はないでしょうね。スパムのブログに著作権法違反のような問題がなければの話ですが。
※悪徳な手法は対策を講じられて、すぐに通用しなくなるのが世の常なので、この記事にある手法は、すでに「過去の話」になっていることもあります。しかし、決して実行しないでください。悪用厳禁です。このような悪徳な手法を薦めている情報商材があるため、「コレはしてはいけない」と啓蒙するために記事を公開しています(何も知らずに悪徳な情報商材に騙され、その情報商材にある通りにして、被害をこうむることをなくすために公開しています)。