成果型広告会社の行く末(2005年)

※)ここではASPのことを、すべて「広告会社」としています。

個人的には、Googleアドセンスの登場で、成果型の広告会社に、大きな淘汰があると考えています。なぜ、そのように考えているのでしょうか。

企業にとっては成果型広告の方が有利

企業にとっては成果型広告の方が有利です。例えば、無料メルマガ会員を集める場合を考えてみます。

・成果型の広告会社を利用した場合
1件成果が上がるとアフィリエイターに100円程度を払う必要があります。つまり、会員1人あたりかかる費用は100円?……ではありませんよ。企業が負担する費用はこの100円以外にも広告会社に払う初期費用、維持費、自社の人件費があります。これらを考慮すると、メルマガ会員を1人獲得するのに200円くらいかかっているのではないでしょうか。

・Googleアドセンスの場合
分野によってクリック単価は異なりますが、1クリック3〜500円です。ただでさえクリック単価が高いのに、自社の人件費もかかりますし、クリックした人がすべて、必ず会員になる訳でもありません。つまり、クリック型の広告会社を利用した場合、不確定要素が大きいわけです。つまりメルマガ会員を1人獲得するのに、下手をすると5000円!?なんてこともありえるわけです。
やはり企業にとっては成果型広告が有利のようです。

スポンサード リンク


アフィリエイターにとってはクリック型広告の方が有利

アフィリエイターにとってはクリック型広告の方が有利です。Googleアドセンスが成果型の広告会社より優れている点は、ものすごくあります。羅列していきます。

1.クリック単価が高い(大体、1クリックあたり、3〜500円)
2.クリックだけで報酬をもらえる
3.広告の張替えも必要なし(手間がかからない、コンテンツの充実に時間をかけることができる)
4.広告文もプロが書いたもの(広告文を考えなくてもよい)
5.クリック率の悪い広告主は排除される(何もしなくてもクリック率が上がるように工夫されている)

広告を張り替えるのって結構、大変です。張り替えるのが面倒なので、広告を放置していると……

「(企業の都合で)サービスを変えたので、広告文を変えて欲しい。変えないと”損害賠償責任が発生する”かもしれません」などという警告メールが来ることも……。

流石に腹立たしくなります。
Googleアドセンスはシステムが変わったからといって「広告を張り替えて欲しい」などのようなことは言ってきませんから。

また成果型の場合は、売れるかどうかは、すべてアフィリエイターにかかってきます。もちろん広告文をアフィリエイターが考えるのは当たり前、その上、「この広告は売上がないから張り替えて……」「この会社はやる気がありそうだから目立つ位置に広告をはって……」などというようなことを一々考えなければなりません。

6.「この企業と提携しようとしたら、断わられたよ」なんてありません
7.「運営する別のサイトに広告をはるには、一々、許可が必要(楽なA8でさえ副サイトとして登録する必要あり)」なんてこともありません。
8.Googleアドセンスは、不正をしない限り、その日に得た報酬は100%支払われます。つまり、「他社・他の人のクッキーが優先されたから成果が確定しなかった」などのようなこともありません。「成果を誤魔化している?」という疑惑も発生しません。よくアダルト系にありがちな「無茶な理由をつけられて、報酬を払ってもらえなくなる」なんてこともありません。

どうですか?
現在の成果型広告会社は如何に企業に有利な広告会社だということがわかっていただけたでしょうか?

スポンサード リンク


Googleアドセンスの欠点

こんなに美味しいGoogleアドセンス。何故、普及しないのかというと次です。

1.単に広告していないからなんですよね。口コミで広がっています。
「本当に儲かるものは人には教えたくない」という状況なのでしょう。

もし楽天で一生懸命稼いでいる主婦達が、Googleアドセンスで儲けるコツを知れば、クリック単価が落ちて、しかも現在、儲かっている手法も儲からなくなってしまいます。「女性+時間がある」という主婦の力は絶大です。儲けている人は、Googleアドセンスを誰にも教えたくないと思うのは当然でしょうね。

2.紹介してもメリットがない
成果型広告を斡旋すると報酬がもらえます。しかしGoogleアドセンスを広めても何も得しません。逆に競争相手を増加させて、自分の首を絞めるだけです。もしGoogleアドセンスがtier制を始めたら、すべての成果型広告が潰れてしまうほど広まるでしょうね(笑)

3.ドル建ての小切手
私はこちらの方が嬉しいのですが、多くの方は円での報酬を求めています。これも欠点といえば欠点ですが、楽天のポイントの方が遥かに惨いのです。

でも……

1.紹介報酬を得られるようになりました!
これで、「紹介してもメリットがない」なんてことがなくなりました。

2.銀行振り込みにも対応!
ドル建ての振込みだし……なんていう欠点はなくなりました。もちろん、ドル建ての小切手も健在です。

ただ、1つ一番の欠点があります。

それは、「いきなり提携を解消されることもある」ことです。
クリック保証なので、不正なクリックを常に監視しているがゆえのことだと思いますが、無罪なのに有罪とされるケースもあるようで、厳しすぎる気もします。

ASPの行く末

私は、成果型広告とクリック型広告を併用しています。

しかし、Googleアドセンスの方が、楽に、大きく儲けることができるので、どうしてもGoogleアドセンスを目立つ位置にはってしまいます。つまり、私以外の多くのサイトにて、一番美味しい場所にアドセンスが配置されていく可能が非常に大きいわけです。まだ美味しい位置に配置している方が少ないのは、多くの方が、儲かるということを知らないだけでしょう。

しかも、広告を張り替えてまで、お金を稼ぎたいと思っている人なんて、ごく少数です。今後、益々、楽なGoogleアドセンスに流れていくことが予想されます。つまり、「成果型広告は目立たない位置に追いやられる→広告主もその現状を見てアドセンスに流れる→広告会社の淘汰」になっていくでしょうね。

といってもすべての成果型の広告会社が淘汰されるわけではありません。
豊富な商品を紹介できるシステムなどの、Googleアドセンスではできないサービスがあるところは、大丈夫だと思います。つまり、アフィリエイターにとって、何かしらのメリット・強みをつけないと成果型広告会社は危ない立場に立たされるでしょうね。

言いたかったこと

広告会社は、もっと使いやすく(広告の改廃なんてなくす)、広告主に確定を早くするように促す、クッキーの問題を明白にするなどのように、アフィリエイターの立場を考えないと、必ず淘汰されていくでしょう。

ネットビジネスの達人のトップページ