企業はどうして多角化するのか?

一時期、化粧品メーカーであるカネボウが、即席ラーメンの販売を手がけたことがあります。このように1つの企業が色々な事業へ進出することを多角化といいますが、そもそも、何故、カネボウは即席ラーメンへ進出しようと考えたのだと思いますか?

スポンサード リンク


多角化のメリット1

企業が多角化するのは、「範囲の経済」が得られる為です。つまり、化粧品と即席ラーメンを別々の企業が経営する場合より、多角化した方が、企業活動が効率的になる為です。

(例1)
例えば、ノーブランドの即席ラーメンと、カネボウ社製の即席ラーメン、同じ値段、同じような内容であれば、あなたなら、どちらを購入しますか?

答えは、明白ですよね。
「カネボウ=大企業=安心」「ノーブランド=小さい企業?=危ないのでは?」と思って、名前が浸透している「カネボウ社製の即席ラーメン」の方を購入しますよね。つまり、例えば、同じ1億円という資金を持って、即席ラーメンの会社を始める場合、ノーブランドで商売を展開するより、カネボウというブランドを利用した方が売りやすいということです。

このように、1から新しい事業を別会社で始めるより、多角化した方が、企業内の「ブランド」「ノウハウ」などの経営資源を利用できる為に、有利に事が運ぶというわけです。

(例2)
カネボウに油研究室というものがあったとします。急速に、油研究の技術が進歩してきたおかげで、油研究の効率は格段に上がってきたとします。そのおかげで、油研究所の研究員はすべて、暇になってきて、中には勤務中にずっとインターネットを楽しむ研究員もでてき始めてきました。

もしあなたが経営者なら、こういった研究員をどうしますか?
クビにしますか?他の部署に回しますか?

実際の世の中ではどちらも難しいんです。いきなり、この研究員をクビにすると労働基準局がうるさいですし……
他の部署に回そうにも、研究員ってつぶしが利かないですし……

こういった状況の中、即席ラーメンの事業を始めたら……

ラーメンといえば油の研究です。油研究室の研究員も、新たな研究をしなければならなくなるので、忙しくなるでしょう。つまり、化粧品事業だけでは、使われていなかった未利用資源(今の例の場合、研究員)が、即席ラーメン事業への進出という多角化によって使われるようになるわけです。

スポンサード リンク


多角化のメリット2

企業が多角化するのは、「リスクを分散」する為です。

これは明白ですよね。
化粧品事業だけでは、化粧品が、一時期でも、不調になると、倒産してしまうこともあります。でも、即席ラーメンでも儲けていれば、化粧品が良くなるまで、持ちこたえることができるようになります。

ネットビジネスの達人のトップページ