スポンサード リンク


出版から1年後以降は、商業出版と自費出版は変わらない

出版といえば「自費出版」と「商業出版」がありますが、この2つ、何が違うのでしょうか。
一般的には、以下といわれているようです。

■1.ブランディング
商業出版はブランディングになるけど自費出版はならない。

■2.お金
商業出版はお金になるけど、自費出版はお金がかかる。

■3.内容
自費出版は好きなことを書けるけど、商業出版は編集者をはさむので、好きなことを書けない。

すなわち、一般的には、ブランディングと印税目当てならば商業出版、お金をかけてでも好きなことを書きたければ自費出版と考えられているようです。
でも10冊以上、商業出版している私からいえば、それって、どうなのかなーと思ってしまいます。なぜなのでしょうか。

スポンサード リンク


自費出版と商業出版の違い(1年後、3年後)

まずは、本を出して、1年後の世界をみてみましょう。
※)あくまで「仮定」です。

■商業出版〜1年後
お金と労力をかけて、ようやく出版にこぎつけたものの、売れ行きは芳しくありませんでした。発売当初は平積みされていた本も、1年経った今では、書店からはなくなるか、あったとしても大型書店の棚に1冊ささっている程度。それでも、ネットでは「本を出版した」とPRしており、新規の顧客に会う度に、自著を渡す日々が続いています。なお、1年後くらいだと書店から注文できますし、ネット書店でも注文できます。
※)商業出版された本のほとんどは増刷さえできないので、本を出版したとしても、(確率論からいえば)多くの人がこの仮定に当てはまります。

■自費出版〜1年後
格安の自費出版で出版したとしても、損失がなくなるまで1000冊は売らないといけません。でも、まだ100冊しか売れていなくて、出費したお金のほとんどを回収できていません。それでも、ネットでは「本を出版した」とPRしており、新規の顧客に会う度に、自著を渡す日々が続いています。なお、1年後くらいだと、書店から注文できますし、ネット書店でも注文できます。

さて、1年後の世界。
増刷できなければ、商業出版といえども、自費出版と同じだとわかるのではないでしょうか。
さらに3年後の世界を見てみましょう。

■商業出版〜3年後
売れない本の運命は「絶版」もしくは「重版未定」。書店にある在庫を最後に二度と刷られることはありません。書店注文はもちろん、ネット注文さえできなくなります。

■自費出版〜3年後
売れなくても、書店注文とネット注文はできます。

3年後になると、自費出版の方が微妙に良さそうですが、どっちもどっちですよね。

つまり、本が売れないと、商業出版も自費出版も変わらなくなるのですね。

「それはそうかもしれない。でも、本の発売直後には商業出版と自費出版の間には大きな差がある」

そういう風に言う人もいます。本当なのでしょうか。
というわけで、次回は、発売直後の話を書きたいと思います。

ちなみに、新規の取引先などに自著を配るとき、商業出版の方がブランディングになると思う人もいるかもしれませんが、そんなことはないですよ。たとえば――。

「星雲社」って、ご存知でしょうか。
とある自費出版の会社から本を出せば、版元は「星雲社」になりますが、ほとんどの人はそれを知りません。
仮に商業出版しかしない「石崎出版社」があったとして、石崎出版社と星雲社、どちらから本を出しているのかで、ブランディングの力が大きく変わるとは思えないですよね。
一般の人は、意外に出版社の名前を知らないのですから(出版業界にいる人間には、一発で自費出版かどうかわかるそうですが)。

「実録!出版するノウハウ、マスコミ取材される方法」のトップページ