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誰でも本を出版できる時代

自費出版といえば、安くて数十万円、相場は100〜200万円でしたが、たった5千円で、紙の本を販売できるようになるMyISBNというサービスがはじまりました。
※印税10パーセント

また、Amazon Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)を利用すれば電子書籍をamazonで販売できます
※印税30〜70パーセント

ただ、いずれもamazonやネット書店でしか販売できませんし、自分で、執筆した原稿を電子書籍や印刷できるようにデータ化する必要があるようですが、ふつうに自費出版しても、まず書店に置けないため、書店での売り上げは期待できず、amazonやネット書店に頼ることになります。
だから、前者の「amazonやネット書店でしか販売できない」は問題ないと思います。
問題はデータ化。
wordやpower ppointを使ってもつくれるようですが素人っぽくなってしまいますし、特に電子書籍は「表紙」が勝負の分かれ目らしいのでプロっぽくつくりたいところです。
そこで、どうすればお金をかけず、プロっぽくできるのか調べてみました。

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フリーソフトを使って自分でDTPすればいい!

結論から書けば、フリーソフトを使って自分でDTPをすれば、プロっぽいものができあがるということです。
では、どのようなフリーソフトを使えばいいのでしょうか。

画像編集のフリーソフトの「GIMP」と、データ作成のフリーソフトの「Inkscape」を使えばいいようです。

■プロとの比較
・画像編集のソフト
プロ:photoshop
フリーソフト:GIMP

・データ作成のソフト
プロ:InDesign
フリーソフト:Inkscape
※Inkscapeを使うと表紙をつくることもできそうです。ただ、2014年時点では、縦書きにするとカッコや句読点がおかしくなるなどの問題がでてくるようです。

「これで、プロっぽい表紙や本にできる!自費出版して印税でウハウハ!」と思った人もいるかもしれませんし、すでに電子書籍などを販売していて、「本の売り方」を知りたい人もいるかもしれません。
しかし、現実は厳しいです。
わたしの著書をもとに、どのくらい販売できるのかの予測を紹介します。

電子書籍、MyISBNの本は何冊売れるのか?(仮定の条件)

電子書籍の価格設定(相場)は、つぎだといわれているようです。

・1万字で、価格100円(印税30パーセント)
・2万字で、価格300円(印税70パーセント)
※電子書籍の文字数と価格設定に関する参照:http://blog.sixapart.jp/2013-05/KDP-troubles.html

ふつう、紙の本は、つぎの価格設定です。

・20万字で、価格1500円(MyISBNだと印税は10パーセント)

比較のために、電子書籍を紙の本にあわせます。

・電子書籍:20万字(10冊分):印税2100円(KDP、価格300円で設定)
・紙の本:20万字:印税150円(MyISBNの場合、価格1500円で設定)

圧倒的に電子書籍のほうが良さそうですが、実際は電子書籍だと買わない人も多いので、売れ行きは紙の本のほうがいいかもしれません。
その辺の話は、下記できちんと修正します。

電子書籍、MyISBNの本は何冊売れるのか?(売れ行きと印税の予測)

電子書籍(KDP)、MyISBNのいずれも、amazonで販売しますが、どの程度、売れるのでしょうか。
机上の空論を書いても仕方がないので、ロングセラーの『基本にカエル英語の本』(以下、カエル本。レベル1のみ)のamazonでの売れ行きを元に考察してみます。

さて、カエル本は、つぎの媒体で継続して宣伝しています。

・英文法の老舗サイト(2つ)
・その他のサイト(複数)
・1万部ほどのメールマガジン

これだけの集客力があるサイト、メルマガをつくるには、並大抵のことではありませんが、これでどの程度売れるのでしょうか。

販売数の予測には、2つの方法があります。
1つ目は、つぎのデータをもとに「予測」する方法です。

順位 最後に売れてから
5万位 13時間
4万位 9時間
3万位 6時間

1万位以内(上位)のAmazonランキングは、実際の売れ行きとイメージが近いと理解できます。
順位 平均注文時間間隔
10位 5秒/冊
100位 1.5分/冊
1000位 30分/冊
1万位 7.5時間/冊
※引用:「Amazonランキングの謎を解く」服部哲弥著、http://www.kenkyuu.net/whatsnew/2011/08/book2011-08-01.html

このデータをもとに大ざっぱに予測すると、2013年だと年間500冊ほどだと思います(レベル1のみ)。
2007年発刊の本なので、現在までおよそ7年。
発刊当初は今よりも売れていたと記憶しているのでそれを加味すると、今までに5000冊は売れていることになります。

販売数を予測する2つ目の方法は、わたしのamazonアソシエイトの販売数を見ることです。
実は、先ほどの予測とわたしのamazonアソシエイトの販売数と結構近接しています。だから、先ほどの推定はかなり正確なのではないか、と思います

というわけで、印税を計算していきましょう。

カエルの本が、もしMyISBNから発刊されたとすれば、「年間500冊×印税150円=7万5千円」、総計でも「75万円」の印税収入になります。
電子書籍からの発刊だとすれば、計算上、「年間500冊×印税2100円=105万円」、総計だと「1050万円」の印税収入になりますが、実際は電子書籍だと買わない人が多いので、この半分もいけば大成功ですし、さらに電子書籍は10冊で計算しています。通常、2冊目は1冊目の6割くらい売れればいいほうなので、本来は「210+210×0.6+210×0.6×0.6……」などと計算しないといけませんが、計算が面倒ですし、仮定のうえに仮定を重ねても仕方がないので、この印税の1/5くらいの補正をすることにしました。その補正をすると、電子書籍からの発刊は、「年間21万円」、総計だと「210万円」の印税収入になります。

つまり、集客力があるサイト、メルマガがあったとしても、MyISBNだと月間5000円、電子書籍だと月間1万円程度の収入にしかならないと予測できます。
20万字書くには、本を書いたことがない人の場合、2、3ヶ月はかかると思います。
時給に換算すれば悲惨なことになりますよね。

収入のバリエーションとして期待はできるかもしれない

サイト、メルマガには、ふつう「広告」として、アフィリエイト広告かGoogleアドセンスを入れます。
1つの記事(コンテンツ)に対して、アフィリエイト広告の数を増やしていっても収入は頭打ちしますし、そもそもそれほど収益にはつながらないので、アフィリエイト広告はコンテンツではない部分、すなわちSEOで稼ぎます。
googleアドセンスは、コンテンツで稼ぐので、(サイトのつくりによりますが)通常、アフィリエイト広告とgoogleアドセンスは競合しません。
つまり、サイトやメルマガを運営していると、つぎの両方もしくは、いずれかの収入を得ることができます。

・アフィリエイトの広告(SEO)
・googleアドセンスの広告(コンテンツ)

さて、電子書籍やMyISBNの本をつくったとして、電子書籍や紙の本は、どのように購入されるのでしょうか。
おそらく、記事(コンテンツ)を読んで「この人の文章の続きを読みたい」「この情報をもっと知りたい」と思った人が買うのではないでしょうか。
だから、さきほど紹介した2つの広告とはかぶらないと思います。 つまり、つぎの収益はかぶらないことになります。

・アフィリエイトの広告(SEO)
・googleアドセンスの広告(コンテンツ)
・書籍、電子書籍の販売(コンテンツの続きを読みたい人)

というわけで、電子書籍・MyISBNで得られる印税収入は金額的には少ないですが、別の収益としてサイトやメルマガに組み込むのも「あり」とは思います。
読者に受け入れられる電子書籍、紙の本をつくることができれば、長いスパンで売れて、総計で100万円くらいになると思うので、数年後には「本1冊書く労力をかけて、すなわち、2、3ヶ月、血を吐くような想いをしながら本を書いて、100万円の収入」になって、ギリギリの収益ラインになると思いますし。

ただ、これはあくまで集客力のあるサイト、メルマガを運営している場合の話です。
集客力がないサイト、メルマガですれば、つまり大多数の人がMyISBNや電子書籍を発行すると悲惨なことになるのは容易に推測できます。

ちなみに、わたしは、あたらしいことに手を出したくなる人間なので、いずれ、電子書籍か、MyISBNかを利用してみようと考えています。

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