商業出版しても、思うほどの影響力もなければお金儲けもできない
商業出版と自費出版を比較する時、よく「発行部数が違う」といわれています。しかし、現実はそれほど単純ではないという話を、前回、書きました。今回はその続きです。
※)出版から1年後以降は、商業出版と自費出版は変わらない
※)商業出版には、発行部数と実売数に開きがある
わたしの英語本の著書の発行部数は10万部を超えています
※)7冊の合計です。
しかし――。
周りの人に、わたしの名前を聞いてみてください。
誰も知らないはずです。
発行部数10万部といえば、そこそこの数値ですが、それでも、その程度の影響力しかないんです。
ましてや、はじめての商業出版だと以下。
・初版部数6千部ほど。
・実売数は4千部ほど。
※)ほとんどの本は増刷しません。だから、初版部数のみだったという仮定です。
影響力は微々たるものです。
まだピンとこないかもしれないので、「影響力」を「お金」で置き換えてみましょう。
※)「影響力がある=商品・サービスを購入させるだけの影響力がある」と仮定します。
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商業出版でお金儲けはできるのか?
出版社と交渉した結果、差し込み広告を入れることができて、読者のうち、実際に(差込み広告に掲載している)商品・サービスを利用した人が「1パーセント」いたとしましょう。
※)ネットだと1パーセントもあれば成功です。それに、「本を買ってはみたものの、読まずに棚にさしたまま」という読者もいます。
それでも、実売数4千名×1%で、たった40人です。
単価五千円の商品・サービスならば「40人×5千円=20万円」しか儲からないのです。
商業出版するには、結構、大変ですが、それだけ労力、コストをかけても、20万円程度の影響力しかないのです。
「でも、発行部数10万部ならば話は変わるんじゃない?」
そう思われた人もいるかもしれませんが、その通りです。
だから、影響力のある商業出版にしようと思えば、「本を売る」しかないんです。増刷しまくるしかないんです。しかし、ほとんどの本は増刷さえできず、初版で終わっている状況の中、10万部は夢のまた夢といわざる得ません(噂では、出版された本の3割しか増刷できず、増刷したとしても、ほとんどが一回限りだそうです)。
というわけで、「何も考えず」商業出版したところで、期待しているほどの影響力は得られないとわかっていただけたのではないでしょうか。
※)ただし、本の出版をすると、取材されることもありますし、それを利用して取材してもらうこともできますので、必ずしも影響力がないわけはありません。詳しくは別のページにて。
次回は、商業出版と自費出版の労力について書きたいと思います。
ちなみに、本の出版で、お金儲けをしたいなら、単価の高い商品・サービスを取り扱うという手もあります。
たった40名でも、100万円のものならば、4千万円になりますからね。
だから、効能をうたっていそうで、うたっていないギリギリのラインを攻めている健康食品の本や新興宗教の本が出回っているわけです。そういう怪しい商品や宗教は1人からお金をむしりとるので、お金になりますからね。こういう本は普通の出版社では取り扱われないので、自費出版か、それに近い出版社からの出版でしょうけど。その辺の話も、また後ほど。