商業出版では、どのくらい印税が貰えるのか?
商業出版を実現させるには、乗り越えるべき「壁」があると書きました。
※)商業出版と自費出版で、乗り越えなければならない「壁」
多大な労力をかけて、その壁を乗り越えることができて、無事、商業出版できたとしましょう。
いくら印税が入るのでしょうか。
本を書いた対価(報酬)は、「印税」で支払われる場合、「原稿買取」で支払われる場合の二通りありますが、ここでは「印税」について書きます。
発行部数に対して10パーセント
「発行部数に対して、10パーセントの印税が貰える」
これが皆さんが想像する印税だと思います。
これだと印税は「価格×発行部数×10パーセント」で計算しますので、たとえば、価格1300円、発行部数6千部だと、「1300円×6千部×10パーセント」で、「78万円」になります。また、増刷する度に、「価格×増刷した部数×10パーセント」の印税を貰うことができます。
しかし、以下の場合ではないと、この条件で出版できることは、まずありません。
・ヒット作がある作家
・かなり大手の出版社
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初版は発行部数の8パーセント、増刷すれば発行部数の10パーセントの印税
初版と増刷した場合の印税が違う形態です。
この場合、初版は「価格×発行部数×8パーセント」、増刷した分からは「価格×発行部数×10パーセント」で計算されます。
初版は印税なし。増刷すれば発行部数の10パーセントの印税
「本を出せば、きっとミリオンセラーになる。初版部数くらいの印税は不要だ」
誰しも思っていることですが、現実は、増刷できない本ばかりです。また増刷できたとしても一回限りというのも珍しくありません。
というわけで、この条件で出版すると、印税は0円か限りなく0円に近くなる可能性が高いです。
実売数に対して10パーセント
発行部数ではなく「実売数」となっているケースです。
発行部数と実売数には、以下のような大きな「開き」があります。
・発行部数6千部
・実売数2千部
※)あくまで例です。
※)商業出版には、発行部数と実売数に開きがある
だから、たとえ印税が10パーセントだとしても、それが実売数に対してだと、印税の収入は低くなってしまいます。
・実売数2千部×本の価格1300円×印税10パーセント=26万円
この条件ならば、発行部数に対して、4パーセントの印税の方が収入が高くなります。
・発行部数6千部×本の価格1300円×印税4パーセント=31万2千円
また、実売数0冊、すなわち、印税収入0円というケースもありえます。
※)詳しくは以下のURLもあわせてご覧になってください。
・発行部数と実売数
実売数に対して8パーセント。ただし、3千部保証。
本を1冊書くのに、大体、3ヶ月はかかりますので、実売数での支払の場合、本を書くのにかけた労力に見合わない収入になることが多々あります。
そこで、出版社によっては「保証部数」を設けているところもあります。
保証部数があれば、保証された部数だけの印税の支払がありますので、実売数0冊、印税収入0円という最悪の事態を回避できます。
※)詳しくは以下のURLもあわせてご覧になってください。
・実売数と保証部数